FACTORY


素材を活かし、音を極める…
長い年月を重ね吸収し続けてきた木を扱う私達の製品作りは、生きた素材をいかに活かしたまま製品にする事ができるか?という課題のもとに成り立っています。木を素材とする以上、その特質を深く極め、その生命を引き出す技術こそが製品作りの土台となります。私達が目指すより高度な製品 ーそれはひたすら木と向き合い、木が語りかける言葉に耳を澄ますところから始まります。
 

1. 材の選定


ダイナ楽器では、主に海外から材木を調達していますが、天然乾燥・強制乾燥を経て、木取り・張り合わせ材の物を最低月産数量の3ヶ月分以上、数量にして1万台分以上は、常にストックし、日本の気候に合わせるためにシーズニングをしています。
そして、その木材は、含水率と呼ばれる、木材にどのくらい水分を含んでいるかを示す数値によって厳しく選別されています。
含水率(パーセント)=(水の重さ÷細胞壁の重さ)×100で、表されます。
しかし、含水率だけでは完成時の木材の収縮、膨張による狂いを把握できるものではありません。
楽器用の材木は、建築用の材木より含水率の設定が半分以下になっていますが、それでも、塗装後に周りの湿度による収縮、膨張を繰り返し、細胞組織や木材繊維の影響で、反りやねじれが発生します。それこそ木工加工の面白い所でも有ります。
 
◎素材を見極める
 
ダイナ楽器のストックしている素材の一部です。海外からの材料が多く、輸入リスクを回避するためも有り、ある程度の量をストックしています。
材によっては、規制がかかり今後、輸入できなくなりそうなものや良い材が出た時も購入しシーズニングをし、加工を待っています。

ft01木材倉庫
ft02トチの木
ft03栗の木
ft04ホンジュラスマホガニー

 
◎貴重な材の保管
 
保管に於いては、温度、湿度を厳重に管理し確かなものだけ厳選に使用しています。
 
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2. 木工加工


BODY,NECK共にNCルーターというデジタルデータで制御する精密機械で加工しています。それにより、高精度で大量に生産ができます。
しかし、木材という素材上、寸法の狂いが発生する為、ある程度の加工をした後で、シーズニングを行い、わざと狂わせそれを修正し、また、NCルーターで精度を出すということを数度行いながら加工していきます。NECK加工では、塗装前までに約50日間かけて修正しながら、造りこんでいきます。また、多くの専用機や治具を使い、生産性の向上、品質の一定化を常に意識しながら製造しています。
もちろん、機械だけでは、調節ができない工程も多く存するのがギター製造であり、熟練の職人の技が発揮する製造する側にとって、とても難しくもあり、反面とても面白いところでもあります。その技術を習得する為に、日々、努力している作業員が数多くいます。
 
◎素材を見極める
 

ft06NC7台所有し、精度が必要な場合には、機械を使い正確なものを、また、外周のR(丸め)等には、木材の目を見ながらビルダー達が手で個々の状態を見ながら研磨しています。
ft07機械では品質的・効率的にできない加工がギター製造には多く存在します。そこに技術の蓄積・伝承があり、品質に大きく影響を与えます。
ft08NECKのグリップをNCで荒加工、これにより正確さ、スピードが向上。
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◎手研磨
 
ここでも、最終の形状はビルダー達が実際に触り確認しながら、研磨しています。
 
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3. PAINT「塗装」


最終的にどういった仕上がりにするかによって、工程が変わってきます。材料によっては、目止めをします。これは、木地の導管からの塗料の吸い込みを防止するために行います。また、木地着色を行う場合もあります。
基本的には、下塗り(シーラー)中塗り(ポリエステル系、ウレタン系、ラッカー系)着色(各色)上塗り(ポリエステル系、ウレタン系、ラッカー系)を吹き付けます。メタリックやラメ・紙・フィルム・布を入れる場合やグラデーション等により工程が変わり、各基本的な吹付けの間にも研磨工程や色押さえ等の密着を高める工程が入ってきます。
塗装というとスプレーマンに注目がいきやすいのですが、正確な色や膜厚で吹く技術と同時に正確な膜厚を残す研磨技術があってこそ、良い塗装が出来上がります。
 
◎塗装技術
 

ft11吹き付け:
日本の中でも乾燥していてギターの製造に適しているこの地域でも温度や湿度により、塗料の配合・乾燥時間を変えながら作業をしています。
ft12研磨:
木地加工・研磨で作りこんだ形に塗料を吹き、また研磨して同じ形を作りまた塗料を吹き、研磨を数回繰り返してつくっていきます。木工の大切さがわかる工程であり、その木工の形を維持しながら仕上げ、色を着け木目等を活かしながら、さらに美しく魅せられるものに変える作業です。

 
◎バフ
 
通常の塗装の中でも、レベルが高いとされる楽器製造会社の塗装。
特に、鏡面仕上げや外周に合わせたボカシ等が他業界では難しいとされています。
楽器業界の基本は、鏡面仕上げ。そのためにつやを出すバフがけが、塗装工程での基本になります。
 
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4. ASSEMBLY「組込」


これまでの何人もの思いが詰まったギターが組立られて行きます。
ここでも、数多くの治具や専用機が新に考案され、より速やかに、より確かな品質な物をお届けする為に改善が進んでいます。
組込工程使用の確認や状況のチェックを毎日行っています。
各工程でも、工程内の他にQC活動が行われ、新たな問題への対処法や治具の改良等の改善活動を会社全体で進めています。
 
◎組込技術
 

ft14基準値の確認:
NECKとBODYをセットし、セット角度が基準値にあるか確認しています。ここでの作業の正確さで、弦高の高さの設定に大きく関わりがあり、ギターとしての弾きやすさが変わってきます。
ft15パーツの取り付け:
数多くの配線図に従い、線材やハンダもそれぞれに応じて使い分けて作業しています。

 
◎ビルダーによる最終工程
 
音・外観・仕様等の確認をしながら、もう一度確認。何重にも有る検査を合格した製品がこうして出来上がります。
 
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5. CUSTOM LINE「カスタムライン」


様々なニーズに素早く・正確に対応するために通常のラインとは異なる、数名のビルダーのラインです。
プロ用の製品・サンプル・自社ブランド・高額商品を中心に流す為、各工程からエキスパートを揃え、ビルダーの個々が多く工程を任され、品質の向上・新たな工法を考案しながら日々努力しています。
また、サンプル品を通常ラインで流すときの注意点等を含めた作業書の作成も重要な仕事内容になっています。
 
◎選ばれたビルダーが集う工程
 
大量に早くそして安定した品質・・・これが大量生産の工場に求められる使命です。それとの「ジレンマ」。それを解消した製品を作りたい。個人的に手をもう少し入れたいこと、試してみたいこと等を実際にできる環境がこのラインには有ります。
イタズラに高品質を追求することなく、必要な部分に必要な時間を使って、楽器という「道具」として信頼性の高い製品を作りだしていきたいと思っています。
 
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◎NECK 刃物削りだし
 
機械加工とハンドメイドとを両立。このラインだけではありませんが、ダイナ楽器では、機械加工・ハンドメイドでのメリット・デメリットを考え、よりプレイヤーにとって、より良いものを提供したいと考えます。
その結果、主に大型工場でしかない設備を使い、精度を出し、早く(つまりコストダウンにつながる)製造することも可能ですし、小規模では難しい全ての作業を自社内で一貫して製造することもできます。
 
ft18